ある倫理主義者の神殿(とその崩壊)2025.06.13 14:17ゆらぎ。小さな心の揺らぎである。長らくそんな心の動きを観測していなかったため、キツラギ警部補は最初、その変化を見逃すところであった。すでに40を超えた身としては多くの出来事が彼の目の前を通り過ぎていった。彼は長い時間をかけて作られた彼の精神の神殿に満足し、そこで過ごす日々を愛して...